彼女と義母と義妹と僕 その164

煙草を吸って席に戻ると尚子はシートにもたれかかり目を閉じていた

「眠ってるか・・・」

小さく呟いた明はそのまま尚子を起こさないように席に座る

「もう・・名古屋か・・」

車内のアナウンスを聞きながら外を見る

「う~ん・・あ・・部長?」

「ああ・・起こしたかな」

目を擦りながら尚子は

「いえ・・ごめんなさい・・寝てしまって」

「いいさ・・しばらく眠るといいよ・・まだ・・名古屋だしね・・」

「はい・・」

少しして名古屋につくとガヤガヤと人の乗り降りが始まった

「結構乗ってきますね・・・」

尚子のつぶやきに

「みんな・・おなじなんだろうね・・」

「え?」

「あ・・・週末を地元で過ごして東京に帰るって」

「ああ・・そうですね・・」

「私たちみたいに・・・ふふふ」

尚子が悪戯っぽく言った時、ガタンと揺れて新幹線が動き出した

「名古屋って来たことないな~」

尚子がぽつりと言う

「そうか・・僕は仕事で支店には言ったことがあるが・・観光は無いね」

「同じですね・・」

「そう・・だな・・」

「まあ・・次は二人で近くに行こう・・」

「はい!!」

自然に尚子が頭を明に寄せ、その手が股間に延びてきた

「こら・・ここではだめだ」

明が耳元で呟く

「えへへ・・部長・・」

再び悪戯っぽく笑う尚子に明は小さな声で

「静かに・・周りもいるから・・」

「はい・・・」

そう言うと尚子は離れてシートにもたれかかる

「あと2時間弱あるし・・少し眠ろう」

「はい・・」

そう言うと尚子は瞳を閉じた

その様を見て明は窓の景色を眺める

「ふぅ・・」

自然とこぼれたため息と同時にシートにもたれて

目を閉じる

『涼真のやつ・・』

ふと試合後の涼真の姿が頭をよぎる

『泣くと思っていたが・・以外にあっさりしていたな』

一緒に暮らしていたらかけてやる言葉もあったかもしれないが・・

そう思いながら

『まあ・・あんなものかな・・あいつは』

頭の中で独り言のように呟くと

徐々に襲ってくる眠気に明は身をゆだねていった

時々揺れる新幹線が心地よく感じられ・・

横からは尚子の寝息が聞こえてきた・・

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