彼女と義母と義妹と僕 その162

唇を離した涼真は雅を見つめる

「涼真・・」

「雅・・・」

二人はそのまま見つめ合う

「うちに来る?」

意を決したように言う雅を見て涼真は少し考え込んで

「あ・・今日は・・ごめん・・そんな気分やないんや」

涼真の言葉を聞いた雅は少し悲しそうな顔をしながら

「うん・・そうやね・・・」

呟きながら目線を前に向ける

「雅・・ごめん・・今日、家に行ってったらな・・怒りで雅を・・」

「ストップ!!」

言いかけた涼真を雅が制した

「わかってる・・涼真・・あたしもそうやし・・」

その言葉を聞いて涼真は雅を見ながら

「すまん・・」

一言だけ呟く

「ほな・・帰ろうか・・」

そう言うと雅は立ちあがる

「ああ・・」

つられて涼真も立ちあがる

歩きながら雅をちらっと涼真を見る

「涼真・・あんな・・」

「うん・・」

「今日は夜は一人になり・・」

「ああ・・」

涼真は一言だけ答える

「それでな・・明日は休みやろ?・・明日は家に来てくれる?」

「あ・・ああ・・」

「約束やで・・」

嬉しそうに言う雅を見ながら涼真は頷く

「ああ・・そうやな・・」

「うん」

「雅・・すまんな・・今日は・・ほんまに・・」

「ええよ・・気にせんで・・・あたしもそういうのわかるから」

「ああ・・」

そう言うと雅は立ち止まる

「ここでええわ・・涼真・・今日は早く寝るんやで・・」

「あ・・そうか・・ああ・・・」

「それとな・・涼真・・」

「うん?」

言葉につまるような雅を涼真はじっと見る

「今日まで・・ほんまにおつかれさま・・最後にいい試合見せてくれてありがとう・・」

「あ・・ああ・・」

「じゃあ・・帰るわ・・また、明日な・・」

「ああ・・明日な・・」

そう言うとやや速足で歩く雅を見て涼真は踵を返して歩き出す

「いい試合か・・」

角を曲がって飲み干したペットボトルを投げつける

「くそ!!」

転がるペットボトルを見ながら

「なんで・・勝てなかった・・・」

自然と涙が溢れる

転がったペットボトルを拾い、歩き出す

「悔しいな・・これで終わりって・・・」

呟きながらゆっくり家に向かって歩き出す

「あ・・・」

家の外の灯りを見ながら涼真は涙を拭き

そばの電信柱にもたれかかる・・・

「く・・」

込み上げる感情を抑えようとするが18歳には限界があった

電信柱を叩きながら声を殺して嗚咽する。

「う・うっぅう・・あ・・・」

再び溢れ出した涙が涼真の感情を開放するように流れていった

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