彼女と義母と義妹と僕 その157

歩きながら健一郎はふと隣を歩く葵を見る

「あ・・葵ちゃん」

健一郎の声にビクッと反応しながら

「あ・・はい・・」

その様子を見て健一郎は

「そんな緊張せんでええよ・・」

「あ・・はい・・」

「ちょっと座ろうか・・」

「はい・・」

そう言うと二人はガードレールに腰を下ろす

「あ・・先輩・・もう少し歩いたら公園あるし・・そこ行きましょう」

「そうやな・・ありがとう」

そう言うと二人は再び歩きだした・・しばらく歩いて公園に入るとベンチに腰を下ろす

「ふぅ・・」

一息つくと健一郎が口を開く

「葵ちゃん・・今日は応援ありがとうね・・」

「あ・・いえ・・」

「結局・・負けてしもたな・・・」

「あ・・はい・・」

「いつかはな・・負けるけど・・・くじ運かな・・」

「あ・・先輩と同じこと」

葵の言葉に健一郎が葵を見る

「先輩って雅がか?」

「あ・・はい・・」

「そうか・・・」

健一郎は空を見上げる

「あ・・吉田先輩・・言ってました・・」

「なんて?」

「山口さんと星野さんは本当はこんな学校でやってるやつら違うって」

「え?」

「ほんとはもっと上のレベルでも・・できるって・・中学からいつもくじ運悪くて・・って」

「おい・・葵ちゃん」

「ほんまやったら・・負けへんって・・いつも・・あの二人のコンビは全国でも通じるはずって・・う・ひっく・・」

「葵ちゃん・・」

「あたし・・今日、初めて見たんですけど・・」

「先輩たちの姿見て・・・・やっぱり・・悔しかったです・・」

その言葉を健一郎は黙って聞いていた

「ご・・ごめんなさい・・せんぱい・・」

慌てて溢れる涙を拭きながら

「先輩たちの方がもっと悔しいのに・・」

うつむきながら涙を拭く葵の頭を健一郎は撫でた

「ありがとう・・そうやな・・やっぱりくやしいな」

健一郎はそう言いながら葵を頭をなでた

「でも・・先輩と山口さんのコンビは感動しました」

「そうか・・」

「吉田先輩の言ってたこと・・判った気がしました」

「ははは・・そりゃ9年やしね・・」

「え?」

「涼真とバスケして9年や・・」

「そうなんだ・・すごい・・」

感動したように言う葵に

「だからなんとなく・・できてまうのかな・・」

「プレーが?」

「ああ・・」

「うらやましい・・あたしは個人競技だし・・」

「そうや・・今度・・応援行くな・・」

「え?でも・・」

びっくりしたように葵は健一郎を見る

「今日の応援のお礼や・・涼真も誘うわ」

戸惑いながら葵は頷く

「さ・・今日は帰ろうか・・」

「あ・・はい・・」

そう言うと二人は立ちあがると歩き出した

すでに薄暗くなり街灯がつきだした中を二人は家路についた

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