彼女と義母と義妹と僕 その150

ボールを受けた浩太にマークがつく

「浩太!!」

右側から良樹が回り込み浩太からパスを貰うと

ドリブルしながら進む

「良樹!!」

涼真の声に反応して良樹がパスを出す

時間が残り5秒を切っていた

ボールを受けた涼真が迷わずシュートする

ボールは高い弧を描いてリングに当たると左に大きくそれた

瞬間、ビーっとブザーがなる

「あ・・・」

思わず涼真がつぶやくと振り返る

後ろで浩太と太一が肩を震わせて下を向いていた横にいる良樹も同じだ

「ふぅう・・」

大きく息を吐いた涼真は

「おい!!整列や・・最後までちゃんとしよ!!」

言いながら3人を呼び寄せる

「66vs62 青!!礼」

「ありがとうございました!!」

礼をした後、こらえきれなかった浩太が崩れ落ちる

「う・・うぅう・・・く・・く・・」

肩を震わせ涙を流す浩太の肩に手を置いた健一郎は

「立て!!・・観客席行くぞ!!」

そのまま浩太を持ち上げる

「うう・・は・・はい・・」

ゆっくり歩きながら観客席の前に並び

「ありがとうございました!!」

全員が一斉に声を出して一礼する

観客席から拍手が起こる

最後に顔を上げた涼真はコートの端を見ると

「親父・・」

明の姿を見つけた涼真は驚いた表情を浮かべた

明は黙って拍手をしながら涼真を見つめた

「負けちゃった・・」

目に涙を浮かべながら真由がつぶやく

「あと少しやったのに・・」

悔しそうに言う真由に

「行こうか・・真由」

芽衣が淡々という

「あ・・うん・・」

「負けましたね・・」

尚子の言葉に明は

「ああ・・じゃあ・・新大阪で・・」

「はい・・部長・・後ほど・・・」

そう言うと二人は観客席を離れた尚子は先に歩き出し

明は裕子が待っていた所で

「負けましたね・・」

裕子がつぶやく

「ああ・・」

短く答えた明は

「悪いが新大阪までええかな?」

「はい・・」

「じゃあ・・行こうか・・」

「あ・・あの・・先輩に会わないんですか?」

不思議そうに言う真由に明は

「ああ・・今はあわない方がいいよ・・君たちも見たくないだろう?

あの子たちが悔し涙を流しているのを?」

「あ・・」慌てて真由が口をつぐむ

「それに・・彼らも見られたくないさ・・行こう・・」

明の後に裕子と芽衣が続きやや遅れて真由が後を追った

体育館を出るとそのまま裕子が車を停めているところに真っすぐ4人は向かうが

誰一人口をきこうとしなかった

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