彼女と義母と義妹と僕 その148

「勝てない?」

尚子がコートを見ながらつぶやく

「ああ・・涼真たちの負けやな」

明はコートを見ながらつぶやく

「冷たいんですね部長」

「さっきの7番のシュートあれが決まっていたら勝てたが・・」

明は淡々と続ける

「あれが流れを決めたかもな・・」

言いながら明の目は涼真を見ていた

時間がどんどん流れていく中

8点の差がなかなか縮まることなく

残り5分に差し掛かろうとしていた

『くそ・・縮まらなんな・・』

心の中で呟きながら涼真は受けたボールをそのままシュートする

「はいったか・・」

ボールがゴールに吸い込まれた

「先輩!!ナイスです」

「ああ・・これで7点差・・一気につめるぞ!!」

良樹の言葉に涼真が答える

「今頃、気づいたか・・しかし・・遅いな・・」

観客席の端で明がつぶやく

「おそい?」

不思議そうに尚子が聞く

「ああ・・今頃、スリー出しても・・もう・・」

涼真を見ながら明は押し殺すように呟いた

「すまん・・あいつのスリー忘れていたわ」

相手チームが集まり言葉を交わす

「なに・・まだ、7点差や、逃げ切れる時間をかけていこう」

そう言うと相手がそれぞれに散りながら動き出す

『太一はスリー警戒されてる・・ここは俺か・・』

心の中でイメージしながら涼真は相手のマークにつく

相手がゆっくりボールを回す

涼真と良樹は前でマークにつくがなかなか奪えない

「焦るな!!じっくり当たれ!!」

ベンチから顧問の激が跳ぶ

相手がパスを回しながらちらっとタイマーを見る

のこり10秒で相手がスピードを上げてゴールからやや離れた位置からシュートする

「健!!」

再び涼真の声に反応して健一郎が跳ぶと

相手より先にボールを掴むと着地して涼真を見る

涼真は腕で良樹を差したと同時に健一郎が良樹へパスを出すと走りだした

「よし」

そのまま涼真も浩太も太一も走りだす

ボールを受けた良樹はそのまま太一へボールを流すが太一にもすぐにマークがつく

「太一!!」

その声に太一は相手を見ながらボールを右へ出した

「ふっ」

明が笑った瞬間、ボールを受けた涼真はそのままシュートしたボールが相手のゴールに入る

「先輩!!」

「ああ・・」

「4点差・・行けるかもしれないですね・・先輩!!」

興奮気味に話す葵に雅は

「そう・・やね・・」

短く答えてコートを見る

時間は残り3分を切っていた

コメント

非公開コメント