彼女と義母と義妹と僕 その79

授業終了のチャイムが鳴ると健一郎が立ちあがり

「涼真・・行こか?」

と声を掛ける

「ああ・・」短く答え立ち上がると教室を出たところで雅が待っていた

「おれ・・先にいくわ・・」

「ああ・・すまんすぐいく・・」

健一郎が走っていくのを見ながら

「どうした・・・部活やろ?行こうや」

「うん・・今日、あまり話してないから・・・」

「そうやったな・・はは・・・ごめんな」

笑いながら言う涼真を見て雅は

「今日は帰り一緒に帰れそう?」

不安げに聞くある雅に涼真は

「ああ・・ちょっと聞きたいん事あるや・・健も途中一緒やけど」

「聞きたいこと?って何よ?気になるやん」

元気を取り戻したように聞く涼真に

「あ・・ああ・健のことや・・」

「え~何よ・・」

その話に食いついてくる雅を見ながら階段を降りると一人の生徒と鉢合わせた

「あ・・こんにちわ・・山口先輩、先ほどすみませんでした。吉田先輩、先に行きます。。」

「ああ・・ええよ・・俺も健も気にしてないさ・・」

「ありがとうございます。では」

お辞儀をして走り去るその子を見ながら

「涼真・・田中となんかあったん?」

雅の問いに

「ああ・・昼休みにぶつかってな・・あの娘、田中って言うの?」

「ふ~ん・・そう・・田中葵って同じ陸上部の娘やで・・」

「そうか・・」歩きながら

「どんな娘かあとで教えてくれや・・」

「なんでよ?まさか涼真?」

ややムッとした雅に涼真は

「はは・・それは無いよ・・」

学校をでて体育館に向かいながら

「健がな・・あの娘可愛かったな~って言うからさ・・」

それを聞いた雅は察したような顔をして

「そう言うことか・・・」と呟きながら

「でも・・あまり深入りしたら・・まずいで・・」

心配そうに言う雅に

「そうやな・・キューピットする気は無いがな情報くらいはええやろ?」

涼真の言葉に少し考えた雅は

「そうやな・・・それならそれとなく聞いてみるわ・・」

「すまん・・」

ほっとした表情の涼真を見て雅は

「報酬はたかいでぇ~」

笑いながら言うと涼真も笑いながら

「ああ・・ちゃんとするさ・・じゃあな・・・」

「うん・・ケガせんようにな・・」

「ああ・・お前もな・・・」

「じゃあ・・あとで・・・」

そう言うと二人は別れると涼真は体育館の部室に入り、着替えると体育館に向かった

「おそなってすまん・・」

座ってストレッチをしている健一郎の横に座ると健一郎は

「ああ・・ええよ・・なんかあったか?雅?」

「いや・・ちょっとな・・あんな・・健・・昼間ぶつかったやついたやん?」

「ああ・・2年やったかな?」

ドキッとしながら平静を装いながらストレッチする健一郎に

「そのこ・・陸上部みたいやで・・さっきそこで会ったわ」

「え?」健一郎の動きが止まる

「田中葵っていうらしいわ・・・雅に聞いた」

涼真の言葉に「ほんまか?どんな娘なんや?」

涼真を見ながら聞く健一郎に

「ああ・・雅に後で聞くから終わったら三人でな・・」

「おお・・さんきゅうな・・涼真ぁ・・・ありがとう・・」

「ええよ・・ええよ・・さ、はじめよ・・」

そう言いながら立ち上がりボールを手にしたとき

ぞろぞろと下級生たちが入って来た

「はじめるぞ!!」

「はい!!」

涼真の声に元気よく答える下級生たちにボールを健一郎はパスし

部活が始まった

コメント

非公開コメント